今回はバジルの土づくりについて、石灰や堆肥、肥料の入れ方や量を、具体的に掘り下げて紹介します。
バジル農家のぴっこが解説するよ
イタリア料理でお馴染みのバジルは、生命力が旺盛!プランターでも栽培しやすく、家庭菜園初心者にもお勧めのハーブです。
さて、ハーブ類は「土がアルカリ性でなければ育ちにくい」といわれています。
これは、多くのハーブがイタリアなどの地中海沿岸が原産地で、このエリアは石灰岩質のアルカリ性の土壌だからです。
日本の土は、地中海沿岸とは真逆で酸性です。
日本では、野菜を栽培するための土作りに、多くの場合で石灰を投入します。石灰は、水に溶けるとアルカリ性を示す資材で、酸性の土を弱酸性から中性寄りに調整するために使われています。
日本で古くから栽培されてきた作物の中には、酸性の土を好むものもあります。でも、一般的な野菜では、石灰で土のバランスを調整した方が生育が良くなるのです。
日本の野菜でさえ石灰を入れるのだから、
バジルには、さらにいっぱい石灰を入れた方が良く育つのかな?
バジルに適した酸性やアルカリ性の度合(pH値)や石灰を使った土の調整方法が、今回のテーマの一つです。また合わせて、バジルの土作りにお勧めの堆肥や肥料の種類、入れ方などについても詳しく解説します。
バジルが生育しやすい土作りとは?
一般に野菜を植え付ける前の土作りでは、ベースとなる土に堆肥と肥料、そしてpH値(アルカリ性、酸性の度合い)を調整する石灰を混ぜ合わせます。
バジルの栽培でも、この3つの資材を入れて、バジルが生長しやすい土を作ります。
ただし、適切なものを、適切な量だけ入れなければ、逆にバジルが育たない土になってしまうため要注意!
まずは、堆肥、肥料、石灰の役割と、この3つの資材をバジルが必要とする理由、さらに土に混ぜ込む前に知っておきたい注意点についてお話しします。
堆肥は、なぜ必要?
堆肥は土の中の微生物を増やし、バジルが根を伸ばしやすいふかふかな土を作るために入れます。
ふかふかな土は、団粒構造になっています。
団粒構造とは、土の粒同士が引かれ合あって小さな塊を作っている状態です。
土が団粒構造になっていると、作物が根を伸ばしやすい以外にも、さまざまなメリットがあります。
団粒構造の土は、必要な水や肥料をしっかり吸着して溜めておくことができ、さらに余分な水は速やかに排水させます。また通気性にも優れていて、新鮮な酸素を取り込むことができます。
水、栄養、酸素は植物の生育には欠かせない要素ね
団粒構造の土にバジルを植えると、土の中に十分な水と栄養、酸素があるため、丈夫にすくすくと育ちます。
では、団粒構造ではない土の場合はどうでしょう?
土がカチカチでバジルは根を伸ばしにくく、成長するための水や酸素、栄養も十分とはいええません。
団粒構造ではない土は肥料を掴む力が弱いから、入れた肥料は水と一緒にすぐに流失しちゃうの
空気の循環も悪いから、土の中が酸素不足になることも…
枯れてしまう…とまではいきませんが、団粒構造の土と比べてみると、生育の差は明らかです。
だから、堆肥が必要なのです!
でも、「堆肥なら、どれでもよい」というわけではありません。不適切な堆肥を入れると、バジルの育ちが良くなるどころか、生育不良を起こして最悪の場合は枯れてしまいます。
選んではいけない堆肥についてや、堆肥を買う際のラベルの読み方などを、後の項目で詳しく解説します。
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肥料はどうする?
バジルは野菜の中でもたっぷりの肥料を必要とします。特に、葉を長い期間摘みとり続けるためには、窒素という肥料成分を栽培中に切らさないことがとても重要です。
たまに「堆肥を入れたから、肥料はいらないのでは?」と勘違いする人もいますが、土づくりを目的に入れる堆肥には、窒素成分はほとんど含まれていません。そのため、窒素を含む肥料を他に入れなければ、バジルは育ちません。
ただし、いくら必要だからと言って、肥料は「とりあえず多く入ておけば良い」というものではありません。
肥料を入れ過ぎると、根が萎れてしまう肥料焼けなど、さまざまな障害の要因になりバジルが逆に育たなくなるからです。
最初の土づくりで入れる肥料を、元肥(もとひ・もとごえ)といます。元肥を入れるときには、植える野菜の種類にかかわらず、土の中の肥料濃度が高くなり過ぎないように注意しなければなりません。バジルのように生育にたくさんの肥料を欲しがる野菜でも、元肥は他の野菜と同等レベルに抑え、バジルが土の肥料を消費するタイミングで適時、追加をしていきます。
さて、肥料の種類はさまざまで、公的に登録されているものだけでも200種類ほどになります。
大枠として有機肥料と化成肥料の違いは良く知られていますが、それぞれがさらに細かく分類され、種類によって野菜への効き方が全く違います。
元肥を選ぶときに重要なのは「有機」や「化成」の部分ではなく、効き方についてです。
ここを間違えると、肥料やけや、必要な時に栄養が供給させずに生育不要につながってしまいます。
肥料の選び方については、後の項目で詳しく解説します。
石灰は、なぜ入れる?
石灰は主に、酸性の土を、中性やアルカリ性に近づけるために使う資材です。
日本の畑の土は、植物にとっては少し強めの酸性です。酸性である理由は、雨が多いことや、畑で使う肥料成分などが影響していると言われています。
一般にハーブ類は、アルカリ性の土の方が良く育つといわれています。
多くのハーブがイタリアなど地中海沿岸の、石灰岩質のアルカリ性土壌を原産地とするからです。
さて、ラベンダーなど栽培には弱アルカリ性の土が好ましいと言われていますが、実はバジルは、必ずしもアルカリ性で育てる必要はありません。
イタリアンハーブの印象が強いバジルですが、意外にも原産地はインド・東南アジア近郊といわれ、それが各地に広がり、今では世界中で広く栽培されています。土質については、地中海沿岸のものにこだわらなくても問題ありません。
バジルは、環境への適応力がとっても高いハーブなの
でも、「土を石灰で調整する必要はないの?」と言われれば、そうではありません。
日本の土の多くは、野菜にとっては少し強めの酸性だからです。
一般的に強い酸性の土では、野菜の生育が悪くなります。
まず、強い酸性の土では、土の中で微生物が活動できなくなります。せっかく堆肥を入れても、微生物が働かなくては土の団粒化が進みません。
そして強い酸性の土は、植物の生育にも直接的に影響します。酸性とアルカリ性では、土から溶け出して、植物の生長を左右する成分が違うからです。
例えば、光合成を続けるために必要なマグネシウムは、酸性が強くなると溶けにくくなり植物が吸収しにくくなります。
さらに、酸性が強くなると、根に有毒なアルミニウムが多く溶け出します。アルミニウムは、根の新陳代謝に欠かせないリン酸の吸収も妨害してしまう、植物にとって非常にやっかいな成分です。
日本に昔からある植物の根には、酸性の土にも対応できる耐性がそなわっているものもあります。でも、バジルのような新参者の野菜はそうとは限りません。
こうした理由から、バジルの土作りでは石灰を入れてバランスを調整します。
さて、アルカリ性・酸性の度合いはpH値で表します。数字が7.0よりも大きければアルカリ性、7.0よりも小さければ酸性、真ん中の7.0が中性です。
あくまで私の経験上ですが、酸性でもpH6.0以上であれば問題なく育ちますが、pH5.5くらいに下がると、やはり生育が悪くなります。
バジルを栽培する場合は、土をpH 6.0から7.0前後に調整すると良いでしょう。
pH値は、石灰を使えば簡単に数値を上げることができます。
ただし、石灰の入れ過ぎには要注意です。アルカリ性が強過ぎても、酸性と同じように生育に悪い影響が出てしまうからです。
そして、一度上げ過ぎてしまったpH値は簡単には下げることができません…
次の項目より、バジルを植える土づくりに使う堆肥、肥料の選び方、そして苦土石灰の量について、順に解説していきます。
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堆肥の選び方とC/N比について
堆肥には腐葉土やバーク堆肥などの植物性のものと、牛糞堆肥などの動物性のものがありますが、どちらも主原料を微生物の力を借りて発酵させて作ります。
堆肥を入れると植物が育ちやすいふかふかな土になりますが、一方で、微生物が野菜のための肥料を横取りしたり、微生物の働きで野菜の生育に有害な熱やガスが発生することもあります。
微生物の活動は、堆肥を発酵させている途中が最も活発で、完熟に近づくにつれて落ち着いていきます。
野菜が栄養欠乏になったり、熱やガスによる障害を受けたりしないために、混ぜ込む堆肥は必ず完熟のものを使いましょう。触ってみて生暖かいものや水っぽいもの、強いアンモニア臭のするものは発酵が終わっていない可能性があります。
堆肥には土をふかふかにする土壌改良性の高いものと、肥料として使える栄養供給性の高いものとがあります。実は、この2つは負の相関関係にあります。
土壌改良効果が高くなれば栄養は低くなりますし、その逆にもなります。
土をふかふかにする団粒化を目的で堆肥を入れる場合は、土壌改良性の高い堆肥を入れます。
植物性堆肥の腐葉土やバーク堆肥などが該当します。
鶏糞の堆肥は、肥料として使えるくらいに栄養が高いけど、土をふかふかにする効果は低い
逆にバーク堆肥には、肥料分はほとんど入っていないの
牛糞堆肥など動物性堆肥の場合は商品によって栄養の差が大きいため、堆肥としての性質はラベル表示をみて判断します。
堆肥のラベル表示の見方|C/N比
肥料に使える堆肥は、主に窒素成分を多く含むものです。
堆肥中の窒素量は、ラベル表示のC/N比をみて判断します。
Cとは炭素、Nとは窒素のことです。
堆肥はC/N比が20より高くなるほど土壌改良剤しての効果が高く、20よりも低くなるほど窒素を多く含むため肥料として役割が期待できます。
堆肥を、土をふかふかにする団粒化を目的に入れる場合は、C/N比が20よりも高いものを選びましょう。
肥料の選び方と肥料焼けについて
植物を植え付ける前の、土作りで混ぜ込む肥料を元肥(もとごえ・もとひ)といいます。
元肥の種類や量を誤ると、土の中の成分濃度が上がり過ぎてしまいます。
この時に起こる障害が肥料焼けで、根が焼けたように傷んで黒く変色し、水や養分を吸えない状態になってしまいます。
肥料焼けは、土の成分濃度の他にも、根に肥料が直接触れることでも起こります。
正しく肥料を使いこなすためには、肥料焼けのメカニズムを理解することが重要です。
理科の用語がでてくるけど、分かりやすく説明するから大丈夫よ
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肥料焼けとはどんな障害?
肥料焼けとは、土の肥料濃度が高過ぎることが原因で、植物の根が萎れてしまう障害です。
肥料焼けは、浸透圧の原理で起こります。
浸透圧は梅シロップの作り方が、分かりやすい例です。
【濃度の低い】水溶液と【濃度の高い】水溶液を半透膜で隔てておくと、お互いの濃度を同じにするための圧力が働きます。この圧力で、水だけが【薄い】方から【濃い】方へ移動するのです。
濃い方を薄めて、薄い方を濃縮して、同じ濃度にしようとするの
梅に砂糖をまぶしておくと、梅の中の成分よりも砂糖の成分が濃いため、梅の水分が外に引き出されてシロップができるのです。そして梅は、水分を抜かれて萎れます…
この「梅」が植物の根、「砂糖」が肥料の時に、肥料焼けという障害がおこります。
実は植物の根は、この浸透圧を使って土から水を吸い上げています。根の中の濃度が土の成分濃度よりも高いことで、土の水が根に移動するのです。
ところが、もし土の中の肥料濃度が高すぎたり、梅シロップの角砂糖のように固形の肥料が根に直接触れたりすると、浸透圧が逆の方向に働きます。その結果。根が萎びて「梅」の状態になるのです。
元肥の選び方
肥料袋には必ず、土の量に対しての使用量が記載されています。
これは、浸透圧のバランスを壊さないために重要な数字ですので、必ず容量を守って使いましょう。
肥料でも種類や性質によって、土に入れることのできる許容量が違います。
土に入れると直ぐに効く即効性の肥料は、溶けるスピードが速いため土の濃度を急激に上昇させます。少量でも、肥料焼けがおこりやすい肥料です。
逆に、時間をかけながらじっくり効く緩効性の肥料は、植物の吸収に合わせて溶けていくため土の濃度が上がりにくく、ある程度の量を入れても肥料焼けがおこりにくいという特長があります。
このため、元肥には緩効性の肥料を使うことが一般的です。
肥料焼けしにくいという以外にも、肥料の効果が長く続き、追加の肥料なしで長期間栽培できるという利便性もあります。
緩効性の代表的な肥料は、油かすや骨粉などの有機肥料です。
一方で、有機肥料と比較されやすい化学肥料は、基本的には即効性で、効果も短期間です。
じゃあ、元肥は有機肥料に決まりね!
それは少し性急ね…
有機肥料で栽培するためには、環境と、熟練の技とが必要よ
有機質の肥料は、環境によって効き方に大きなムラがあり、初心者には扱いが難しいというデメリットがあります。また、堆肥で説明したように、ガスの発生で作物が傷んだり、微生物に肥料を横取りされて栄養欠乏になる場合もあります。
そして、最も大きな問題が臭いです。有機肥料には臭いの強いものが多く、害虫などを寄せ付けやすいというデメリットもあります。
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化成肥料でも特殊な技術を施して、有機肥料と同じようにゆっくりと成分が溶け出す緩効性のものがあります。
肥料焼けやガス障害などがおこりにくく、肥効も環境に左右されにくいため、作物が欲しい時に確実に栄養を供給することができます。また、臭いの心配もほとんどありません。
初心者の方や、ベランダや玄関先でプランター栽培する方には、緩効性の化成肥料がお勧めです。
「化成」という人工的な響きから、化成肥料を嫌煙する人も多いみたいだけど…
化成肥料は、自然由来の原料を工場で肥料として成形したものなの
怪しい物ではないから安心して
緩効性化成肥料で代表的なものがIB肥料です。
有機肥料と同じようにゆっくり溶け出すため肥料焼けが起こりにくく、元肥に最適です。肥効が安定して効率的に質の高い野菜が作れるため、プロの農家にも使われることの多い資材です。
緩効性の肥料を基肥に入れても、バジルは栽培期間が長いため追肥は不可欠です。
下の方の葉が黄色くなってきたら、元肥の効果が切れてきたサインです!
IB化成肥料は追肥にも使えますが、水で成分が溶け出すタイプの緩効性なので、土の上に置くだけでは効きません。また、肥料が完全に切れかかっている状態の時には、即効性タイプの液肥などの方がオススメです。
追肥については、こちらでも紹介しています。よかったら参考にしてくださいね。
▶バジルを長期間、いっぱい収穫するための摘芯や追肥の方法
石灰の選び方と量について
畑や庭の土は、雨の影響でやや強めの酸性に傾いていることも多いため、バジルの栽培に適したpH6.0からpH 7.0に調整します。pH値を上げるためには、水に溶けるとアルカリ性を示す石灰を使います。
次に石灰の選び方と、量やまき方について解説します。
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石灰はどれを使う?
土づくりに使われる石灰には主に消石灰、苦土石灰、有機石灰がありますが、家庭菜園でバジルを栽培する場合には、苦土石灰がお勧めです。
消石灰は、pH調整力が強く即効性もありますが、化学反応が強く、植物にとって有害な熱やガスを発生させるため、どちらかと言えばプロ仕様の資材です。
有機石灰には熱やガス障害のような危険はありませんが、pH調整力は弱く、効き目もゆっくりです。
苦土石灰はその中間で、消石灰ほどのpH調整力はありませんが、化学反応が穏やかで比較的安全にpH値を上げることができます。
苦土石灰には粒状のものと、粉状のものとがありますが、成分は同じです。
粉状のものは、舞い上がるため風の強い日にはまけません。粒状のものはまきやすいですが、値段が少しだけ高めです。
苦土石灰の量はどれくらい?
pHの調整に使う苦土石灰の量は、畑や庭にまく場合は1㎡につき100g、プランターなど少量の土の場合には5ℓにつき6g(小さじ1強)程度が目安です。
これは平均的な土質で、pH値を0.5上げるときの量になります。
肥料もちの良い団粒構造に優れた土の場合は、もう少し多く苦土石灰が必要になりますし、逆に肥料もちの悪い痩せた土では、これよりも少ない量でpH値が上がります。
また、用土の重さ(密度)によっても、必要になる苦土石灰の量は増減します。
苦土石灰の量を正確に出すためには、分析機関で土の中の窒素やマグネシウムの量なども検査してもらう必要があるの
pH値は、土の石灰の量だけで単純に決まるものではないのよ
ただし、pH6.0以上であればバジルの生育には大きく影響しないため、家庭菜園なら多少のブレは問題ありません。
また、稀に前作で入れた石灰や肥料の影響で、畑がアルカリ性側に傾いているケースがあります。
pH値を上げることは石灰を入れれば簡単にできますが、逆に上がり過ぎたpH値を下げることは、家庭菜園レベルでは良い方法がありません。
土がアルカリ性に傾き過ぎると、土の成分バランスが崩れてバジルが必要な養分を吸えずに生育不良をおこしたり、土の中で良い働きをする菌や微生物が死んでしまうこともあります。
前作で生育に異常がみられたような畑の場合などは、pH測定をしてから苦土石灰を入れると安心です。
土のpH調整や石灰の使い方は、バジルにかかわらず全ての野菜作りでとても大切な土作りの基本です。不適切な土壌pHで栽培した時におこる障害についてや、石灰のより詳しい使い方をこちらで紹介しています。良かったら参考にしてくださいね。
▶強酸性やアルカリ性の土で栽培すると、野菜はこうなってしまう…失敗しないための石灰資材の使い方
石灰・堆肥・肥料は同時に入れても大丈夫?
石灰、堆肥、肥料には土に入れる順番があり、同時に入れることは基本的にお勧めしません。
最初に入れるのは、石灰です。その後1~2週間ほど待って堆肥と肥料を投入し、1週間ほど土に馴染ませてからバジルを植え付けます。
土の中の窒素成分は、アルカリ性の石灰と交わると化学反応をおこしてアンモニアガスになります。
もし、石灰と一緒に肥料や堆肥を入れると、バジルのために入れた肥料や堆肥に含まれる窒素成分が、バジルが吸収する前にガスになって抜けてしまうことになります。
これは、もったいないね!
窒素は、バジルの生長に欠かせない栄養素
元肥には、必ず窒素成分が含まれているよ
また、強いアルカリ性は、堆肥の中にいる良い菌や微生物を殺してしまいます。
これも、悲しい…
そもそもアンモニアガスを浴びると植物は生育障害をおこすため、化学反応が落ち着きガスの発生が収まるまで、バジルを植え付けることができません。
そのため、石灰は他の資材よりも早めに入れて、土と馴染ませておきます。
しかし実際のところは、私も含めてこの3つを同時に入れる場合が多いです。
多少のリスクを承知の上での、単なる時間の都合です…
ただし、この時の石灰は、必ず苦土石灰を使います。
苦土石灰は、消石灰よりもアルカリ性が低いため、比較的穏やかに化学反応が進みます。そのため肥料や堆肥と一緒にいれても、障害が発生するほどのガスが出るのは稀なケースです。
一方で、苦土石灰はゆっくりと効くため、土のpHが安定するまでに1~2週間ほどかかります。時間が許すようなら、やはり早めに入れておく方がおすすめです。
ちなみに、消石灰の場合は植え付けの3週間ほど前から土に馴染ませ、有機石灰の場合は植え付けと同時に入れても全く問題ありません。
バジルの植え付け方法や、その後の管理方法はこちらで詳しく紹介しています。
よかったら参考にしてくださいね。
▶バジルの植え付けのタイミングと、スムーズに活着させる定植方法
▶バジルを長期間栽培するなら、サイズは●cm以上で!プランターの選び方
▶バジルの収穫量はお世話の仕方次第でどんどん増える⁉摘芯と追肥の方法
また、世界の魅力的なバジルの栽培方法や調理方法も紹介中。
スイートバジルと一緒に育てて、食べ比べてみませんか?
▶バジル厳選7種を紹介!レモンバジル、ホーリーバジル、紫バジルなど
プランター栽培のための培養土の作り方
畑や庭で土づくりをするのではなく、プランター栽培用に最初から土を作る場合は、堆肥と赤玉土などをブレンドしたものに、適量の元肥を入れます。
バジルにお勧めのブレンドは【赤玉:腐葉土:ピートモス(pH調整済みのもの)=6:3:1】+元肥です。
この配合の場合、概ねpH6.0程になるため石灰を混ぜての調整は基本的に必要ありません。
ただし腐葉土のpHはメーカーによって差があるため、+0.5になる程度の苦土石灰(5ℓにつき小さじ1強)を混ぜておくと安心です。
市販の培養土を使う場合も、石灰や元肥は必要?
市販されている一般的な野菜用培養土は、あらかじめpH 6.0程度に調整されていて、肥料分も添加されているため、苦土石灰や元肥は必要ありません。
ただし、ブルーベリー用培養土などのように、敢えて低いpH値に調整しているものもあります。また値段が安すぎる培養土には、pH値が調整されていないものもあります。
培養土の質は価格とある程度比例するため、安い培養土には未完熟な堆肥が含まれている場合もあります。
培養土は、信頼できるメーカーの野菜用培養土を選ぶようにして、pH値が6.0~7.0程度に調整されているかをラベルの記載で確認してから購入しましょう。
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バジルの性格はいろいろ
バジルは一般には「イタリアのハーブ」とされていて、栽培も地中海沿岸で育つハーブを基準に考えられがちです。でも、バジルの原産地は、実はインドや東南アジア周辺の熱帯地域。地中海エリアのような環境が、必ずしもベストというわけではないのです。
世界には150種類を超えるバジルがあると言われています。原産地周辺の東南アジアにも、素敵なバジルがたくさんあります。本格的なガパオライスには必ず入れるホーリーバジルや、レモンとバジルの良いとこ取りのレモンバジルなど。
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