バジルのプランター栽培方法｜おすすめプランターのサイズや土と肥料

バジルはプランターでも栽培できるため、庭や畑のない方でも気軽に挑戦できます。

畑とは違い、プランターの中には限られた量の土しかありません。バジルは、その限られた土の範囲でしか根を広げることができず、そこに含まれる水と養分しか吸収できないため、器となるプランター選びは、生育の良し悪しをきめる重要な要となります。

今回は、バジル栽培に適したプランターの選び方と、植え方や収穫方法、培養土の選び方や水のあげ方などを紹介します。
これからバジル栽培を始めたいという方、バジルの栽培方法で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

小さなプランターでもバジルは育てられる？

キッチンにバジルがあると、とても便利です。
フレッシュバジルの風味は格別！料理の時に、さっと摘み取って料理に飾れば、味も、香りも、彩りも！あっという間にワンランク上のプレートに仕上がります。

何より、キッチン付近にバジルの鉢が置いてあるとお洒落ですよね。

さて、バジルはキッチンスペースに収まるような小さなコンテナでも栽培できます。

でも、キッチンバジルは、あくまで短期的な収穫を楽しむものと割り切る必要があります。

なぜかというと、バジルの収量や収穫期間は、栽培する土の量に比例するからです。

バジルの葉や茎が生長するには、それに合わせて根もどんどん伸ていく必要があります。
もし、土の量が不十分な場合、根は十分に伸びることができないため、葉や茎の生長も止まってしまいます。やがて根詰まりによって、酸素や栄養が十分に行きわたらなくなり、バジルの株は寿命をむかえます。

バジルは環境が良ければ、春から秋までの長い期間、収穫し続けることができます。そのためには、バジルにとって十分な土の量や、根の生長に必要な酸素や水を保ことができるプランターを選ぶ必要があります。

バジル栽培に適したプランターの選び方

では、バジルにとって十分なプランターの大きさや、その他のバジル栽培に適したプランターの条件について、順に解説していきます。

プランターのサイズは直径25㎝以上が理想

バジルを長期間栽培したいなら、プランターの大きさは直径25㎝以上は必要です。

バジルは、トマトやナスなどと比べると、低い位置で根を張る植物です。トマトやナスに使うような深型のプランターは必要ありませんが、背丈は５０㎝以上と高く伸びるため、たっぷり土が入るもの方が安定します。また、夏の水枯れ対策も考えて、浅型ではなく、少し深めのプランターを選びましょう。

直径25㎝のプランターでバジルを育てる場合は、基本的には中央に１株のみを植えます。

つい複数本を植えたくなるところですが…長く元気に育てるためのコツは、欲張らないで土の量に対してちょうど良い数だけ植えることです。たとえ大きなプランターを使っても、何株も同時に植えれば、結局は1株あたりの土の量が不足するため根詰まりしてしまいます。

また、バジルは上手に育てれば、1株でもソースが作れるくらいにたっぷりの葉が収穫できます。
収穫量を増えるバジルの栽培方法は、こちらから紹介しています。
▶ポイントは摘芯！枝数を増やして、バジルをたっぷり収穫できる栽培方法

バジルを何株も栽培したいときには、長いタイプのプランターがお勧めです。
この時、根域や日当たりを考慮して、株と株との間を20㎝以上とるようにしましょう。

プランターの大切な機能｜排水性と通気性

単に土の量が十分なだけでは、バジルは健康に育ちません。
土には作物にとって必要な水や養分を保持するという役目があり、根は土の中の酸素を使って呼吸や新陳代謝を繰り返しながら、水や養分を茎や葉に送っています。

土に余裕があっても酸素が不足していては、根は生長や新陳代謝ができません。すると、葉や茎も生長ができなくなってしまいます。

根が窒息してしまう最も多い理由が、土の水浸し。プランターは、不要な水が速やかに外に流れる、排水性の高いものを使用しましょう。また、酸素を取り込めるように、通気性にも優れたものを選ぶ必要もあります。

良いプランターとは具体的には、あげ底になっているもの、底がメッシュ構造になっているもの、側面にスリッドが入っているものなどです。

また、排水性や通気性は、プランターの材質や、中に入れる土の質なども大きく影響します。これについては、後ほど詳しく解説します。

プランターの材質は

プランターには、素焼きのものや、プラスチック製のものがあります。
イタリア南部では、上質な素焼き鉢「テラコッタ」でブッシュバジルという品種のバジルを育てて、キッチンに飾る風習もあります。

基本的には、どちらの材質でもバジルは栽培できます。それぞれに短所と長所とがありますので、プランターの材質にあった管理をしましょう。

プラスチックのプランター

プラスチックには、表面から水が蒸発できないため、土が過湿になりやすいという弱点があります、でも、プラスチック製のプランターには、底がメッシュになっていたり、サイドにスリッドが入っていたりと、水が抜けやすいようにデザインされているものもあります。

また、表面から水が蒸発しないことは、水枯れを起こしやすい真夏の時期には、逆に強みにもなります。

軽いため移動させやすいという点や、価格が手頃という点も、プラスチック製の長所です。

素焼きの鉢

材質が土である素焼きは、鉢の表面から水や空気を通します。土の不要な水分を蒸発させることができ、通気もできるため、鉢の中を快適な環境に保つことができます。

また、プラスチック製に比べて保温性が高く、さらに猛暑の時には気化熱で土の温度を下げる働きもある優れものです。

一方で、水枯れしやすい夏は、水の乾きの良さが弱点となる場合もあります。素焼きの鉢は、プラスチック製に比べて小まめな水やりが必要です。

また、重くて移動しにくい点や、値段が割高という点も短所になります。

バジル栽培おすすめのプランター

バジル栽培に適した大きさや、排水性と通気性を兼ねたプランターを紹介します。

また、この紹介の後は、プランターへのバジルの植え方や栽培方法・培養土の選び方を紹介しますよ。

排水性・通気性ＯＫ！コスパの良いプランター

手頃な値段で、大きさと機能が備わったプランターです。
プラスチックですが、見た目もオシャレですね！

バジルを複数株植えたいなら

バジルを、同じプランターで数株育てたいならコレ！
足つきで、通気・排水対策もバッチリですね。

プランターの紹介ではありませんが、レイズベッドがあるとバジル栽培がもっとオシャレで、楽しくなりますね！

ベランダスペースを有効利用しないたら

限られた庭やベランダのスペースを有効に活用したい場合にオススメ！イングリッシュガーデン風で、見た目もとっても素敵です。

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同じバジルでも、食べ比べてみると全然ちがう！
本場のガパオライスに欠かせないホーリバジルや、焼き菓子を美味しくするシナモンバジル、爽やかさが半端ない⁉レモンバジル。
世界のバジルを知ると、暮らしがもっと楽しくなりますよ♪

プランター栽培に最適な土は？

プランターの選び方では、通気性や排水性の重要性をお話しましたが、肝心の土が悪いと、良いプランターを使用しても意味がありません。

通気性や排水性の良い土を使うことはバジル栽培では当然のこと。
植物の栽培に適した土が培養土として市販されています。培養土は複数の土をブレンドしたもので、優れた培養土には通気性や排水性に加えて、水持ちの良さや、肥料持ちの良さも備えられています。

培養土の選び方は

・「ブルベリー用」など、特定作物の専用培養土は選ばない（ハーブ専用培養土ならＯＫ）

・極端に値段の安い培養土は選ばない

２点を守れば、一般的な培養土で大丈夫です。

特定の作物専用に設計された培養土は、肥料分がバジルの生育には合ない配合になっている可能性があります。

また、値段の安い培養土は、未完熟な堆肥を使っていたり、ｐＨ（酸性やアルカリ性のバランス）が調整されていない場合もあるため、少々割高と感じても信頼できるメーカーのものを使った方が良いでしょう。

培養土を手作りした場合には、用土は【赤玉土：腐葉土：ピートモス（ｐＨ調整済み）=6：3：1】などでブレンドすると、バジルが育ちやすい土になります。
この場合は、基肥も忘れずに添加しましょう。基肥には三要素「窒素・リン酸・カリ」がバランス良く配合された、肥効の長いタイプのものがよいでしょう。

培養土については、こちらを参考にしてください。
▶培養土のオススメの作り方と、用土をブレンドするときの注意点

プランターでのバジルの栽培方法

それでは！用意したプランターを使って、実際にバジルを栽培する方法を紹介していきます。

今回は、苗をプランターに植えるとことから説明します。バジルの種まき方法や、苗の作り方については、こちらで詳しく紹介していますので参考にしてください。
▶バジルの育て方｜種まき時期や方法・おすすめの土を紹介

プランターに土の詰める

培養土はプランターの上の淵から2cmほどまでを目安に、少し余裕をもたせて詰めます。この空間があることで、水やりがしやすくなります。ギリギリまで詰めてしまうと、水やりで土が流れてしまったり、十分な量の水をあげられなかったりするため注意しましょう。

水やりについては、後ほど別の項目で詳しく説明します。

苗を植える

根鉢の大きさより少し深めに穴を掘り、苗の根鉢を崩さないようにそっとポットから取り出し埋め、苗の表土にも土をかぶせて全体を平らにならします。植え終わったら、プランターの鉢底から水が染み出すまでたっぷりの水をあげます。

苗の定植方法はこちらで詳しく紹介しています。
▶苗の植替え方法｜失敗しないコツや定植時期・タイミングを紹介

摘芯しながら収穫する

株の下から数えて３節目の葉が十分に生長したら、収穫を開始します。

この時、必ずてっぺんの生長点を切るように収穫します。これを摘芯と言います。

バジルは、生長のエネルギーが生長点に集中するため、てっぺんを残したままにしておくと他の葉に栄養がまわりにくく、枝数も増えません。摘芯を繰り返すことで、枝数が増えて、収量も増えていきます。
摘芯のやり方は、こちらで紹介しています。
▶バジルの収穫量を増やす摘芯の方法を紹介

追肥をする

収穫が始まり、脇芽も活発に生長するようになると、肥料の消費量も増えます。

葉が肥大しなくなった、株の下の方の葉が黄色くなりはじめた、などは肥料切れのサインです。適時、追肥をして株を元気に育てましょう。

液肥を使用する場合は、１週間から10日ほどのペースで追肥します。

固形肥料には、遅効性や即効性などのさまざまな種類のものがありますが、一般的な肥料の場合は、目安は１か月に１度ほどです。ただし量や頻度は、与える肥料によって異なるため、説明書にある用量を守って追肥してください。

追肥する肥料の選び方

使う肥料は有機肥料、化成肥料どちらでも構いませんが、バジルの追肥の場合は、窒素の配合をみて肥料を選びます。

市販の肥料には、必ず三大要素である「窒素・リン酸・カリ」の成分比率が記されています。例えば「8-8-8」と書かれていれば、三要素が同じ比率で配合されているということです。バジルのように葉を摘み取る野菜は、この並列タイプ、または窒素の比率がやや高めのタイプを選びます。

一方で「6-10-5」などのように、リン酸が多めに配合されている肥料もあります。これらは、トマトなどの果菜類や花などに向いた配合です。

プランターの置き場所は？

バジルの生育には、光合成がとても重要です。屋内やベランダで育てる場合も、日当たりが良い場所を選んで置いてあげましょう。

ただし、直射日光が必ずしも良いというわけではありません。特に日当たりの良過ぎる、玄関先の石畳や、ベランダのコンクリートにプランターを直置きしている場合、強い日差しで土が乾きバジルが水枯れを起こすこともありますし、コンクリ―ト熱の照り返しで高温障害になることもあります。

バジルが光合成で吸収できる光の量には限界値があるため、太陽の光がすべて必要というわけではありません。真夏の猛暑日には、むしろ炎天下を避けて、少しだけ日陰に移動したり、薄い日除けを作ってあげると良いでしょう。

また、プランターの下にスノコを敷くと、照り返しの熱を和らげてくれます。

プランター栽培の水のあげ方

プランター栽培での水のあげ方について、正しい方法を知らない人は多いようです。
プランターで育つバジルは、与えられた分の水しか吸うことができません。バジルは水をたくさん必要とする植物なので、正しくできていないと水枯れさせてしまいます。

最後に、プランターで栽培する場合の正しい水のあげ方について解説します。

水は朝イチにあげる

猛暑の日、バジルは葉から水を蒸散させることで体温を調整しようとします。また、水は光合成の時にもたくさん消費します。
暑さと日照りの厳しい夏は、水は朝イチでたっぷり補給してあげましょう。

鉢底から流れ出るくらいたっぷりと

表面が湿る程度では、根に水は届きません。プランターの鉢底からしっかり流れ出るくらいに、少し時間をかけてたっぷり水をあげましょう。また、受け皿に溜まった水は、その都度、捨てるよういしてください。

水が鉢底から流れ出るとき、溜まった雑菌や古い空気も一緒に押し出され、土の中を酸素を豊富に含んだ新鮮な空気リフレッシュしてくれます。

株元からそっとあげる

上からかけても、葉が傘になって土に届かないことがあります。また、葉の過湿や、泥はねは病気の引き金にもなります。水は株元から、そっとさしてあげましょう。

まとめ

バジルは畑や庭がなくてもプランターで手軽に栽培できます。ベランダでのガーデニングにもオススメです。

畑とは違い、プランター栽培の場合はバジルは限られ範囲の土でしか根を伸ばすことができません。土には根を育て、葉や茎に必要な水や養分を供給する大切な役割があります。その土の器であるプランターの選び方は、とても重要です。
プランターを選ぶときには、バジルをどれくらいの期間育てたいのか、何株ほど植えたいのかを考慮し、適正なサイズのものを選びましょう。また、通気・排水がきちんと設計されたものがオススメです。