好光性種子の蒔き方は?バジル農家が教える覆土する理由と方法

バジルは、発芽のために光が必要な好光性種子です。

好光性種子の種まきには「覆土はしない方が良い」という方もいますが、覆土をしないと逆に発芽率を下げてしまう場合があるため、注意が必要です。

ちなみに私は、バジルの種まきには覆土は必要であると考えています。

ぴっこ
ぴっこ

バジル農家のぴっこは、バジルの種を毎年1万粒以上まいているよ!

今回は、「なぜ覆土が必要なのか?」の解説を含め、バジルの種まき方について紹介します。

好光性種子とは?

種には、光があると発芽しやすくなる「好光性種子」や、光があると発芽しにくくなる「嫌光性種子」があります。

例えば嫌光性種子は大根やタマネギ、カボチャなど、好光性種子はレタスやニンジン、そしてバジルなどです。

嫌光性種子には、光を遮断するために、種まきの時にしっかりと土をかぶせます。

では、逆の性質をもつ好光性種子には、光が良く当たるように、土はかぶせない方が良いのでしょうか?
これについては、以降で順を追って解説します。

好光性種子に覆土が必要な理由

「好光性種子の覆土」の前に、まず種の発芽に必要な3要素についてお話ししたいと思います。

種は、植物が命を眠らせている休眠の状態にあります。この休眠状態から種を目覚めさせるのが、発芽3要素である温度酸素です。さらに、好光性種子の場合は、これにの要素も加わります。

温度のうち、その植物の発芽に適した温度のことを「発芽適温」といいます。

種は、発芽適温と光の要件を満たす環境の中にいるときに、水を吸収すると、休眠から目覚めます。そして呼吸によって酸素を取り込み、生存と生長のためのエネルギーを作り始めます。休眠させていた命の活動が、再開されるのです。

さて、いったん目覚めた種は、エネルギーを作る生命活動が途絶えると枯死してしまいます種が十分に成長すると、根が出て外の水分を吸収できるようになりますが、それ以前に種の中の水が無くなると、もはやエネルギーは作れません。つまり、発芽が出来なくなるのです。

好光性種子の発芽には、光も重要な要素になりますが、同時に温度や水分を保つことや、酸素を供給することも欠かかすことができません。
▶コレをすると発芽しない!種まきに失敗しないために事前に知っておく事

覆土は、この保温保水の点で、とても重要な役割を果たします。

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覆土の役割とは?

種をまいて、土で覆うことを「覆土」といいます。
覆土することで得られる、4つのメリットについて解説します。

①種にとどく光を遮断する

土をかぶせることで、光を遮断できます。
光があると発芽しにくい嫌光性種子は、覆土が必要です。

②種の温度の変化を和らげる

土は空気よりも熱を逃がしにくく、気温の上がり下がりによる種の温度変化を和らげてくれます。土をかぶせておくことで、保温の効果も生まれます。

③保湿性を高める

土で覆うことで、種を乾燥から守ることができます。特に覆土に、保湿性の高いピートモスやバーミキュライトなどの用土を使うと、より効果的です。

④根の浮きを防ぐ

種は最初に根が生えて、その後に芽が出ます。根は下に伸びていきますが、上から押さえられていないと土に刺さりにくく、浮き上がってしまうこともあります。土で覆うことで適度な重さが加わり、安定して根を下に伸ばすことができます。

⑤種が流れにくくなる

土で覆うことで、水やりの時に種が流れにくくなります。特に小さな好光性種子は、覆土で種を押さえておくことは重要です。

バジルのような好光性種子にとって覆土の役割は、①の遮光以外の理由で、どれも大切です。特に光の下で発芽させる好光性種子にとって、太陽の熱から種の乾燥を防ぐことはとても重要です。

そのため、バジルの種まきには、覆土することがお勧めです。

バジルに覆土するときのポイント

好光性種子でも上手に覆土をすれば、逆に発芽の成功率があがります。
バジルを例に、好光性種子の覆土で気を付けるポイントを解説していきます。

覆土の厚さは3㎜程

一般に覆土の量は、種の厚さの2~3倍とされています。
バジルの覆土は3mm程度。どれだけ厚くても5㎜を超えないようにすることが大切です。

まず、覆土が厚すぎると光が届かなくなり、休眠から目覚めなくなります。
また、発芽しても光合成ができなければ、芽が地上に伸びることができなくなるからです。

嫌光性種子に多い大きな種の中には、発芽後に芽が地上まで伸びるために必要な分の栄養も蓄えられています。でも、バジルのように小さな好光性種子の種には、その蓄えがほとんどありません。栄養は発芽の時に使ってしまうため、殻を破った直後から自分で光合成をして、地上に伸びるためのエネルギーを合成しなければならないのです。

そのため、バジルは光の届かないほど厚く覆土をすると発芽しませんし、もし発芽できたとしても地上に伸びれずに枯れてしまうのです。

目が細かく、保水力の高い用土で覆土する

覆土するときは、できるだけ目が細かく、保水力の高い用土を使うと、発芽率があがります。
お勧めはバーミキュライトです。他の用土よりも軽く、吸水性と保水性にとても優れています。

バジルの種を覆土する方法と、水やりについて

バジルの覆土については、まず一般的な方法から紹介し、次に年間1万粒以上のバジル種をまく私の方法を紹介します。

一般的な方法

プランターに培養土を詰めて、水をあげて十分に吸水させます。

培養土は、苗を作ってその後に植え替える場合は「種まき用培養土」を、植え替えずにそのまま育てる場合は普通の(種蒔き用ではない)「培養土」を使います。
▶種まき用培養土と普通の培養とは何が違う?

プランターにバジルの種をパラパラとまき、種まき用培養土やバーミキュライトなどの用土で3㎜程度の厚さに薄く覆います。

水やりは、目の細かいジョウロや霧吹きなどを使って、用土や種を飛ばさないように丁寧にあげます。発芽までは、土を乾かさないように水の管理には気を付けましょう。

発芽したら、密集している部分の芽は適度に間引き、しっかりした苗に育てます。

でも、実際には「3㎜程度」の薄い覆土って、難しいですよね。
また、間引きも手間がかかりますし、正直もったいない気もします。

ぴっこ
ぴっこ

1万粒も種をまくと、間引きしていると、時間も種もロスが大きすぎる!

そこで、私は別の方法でバジルの種をまき、覆土をしています。
今回は、特別にその方法を紹介しちゃいます。

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バジル農家の方法

一応プロのバジル農家ですが(汗)、使うのは100均で買ったピンセット!
私の場合、「種をまいて、3㎜土をのせる」のではなく、「3㎜下の土に、種を埋める」です。
これで、9割以上は発芽しますので、必要な分しか種はまきません。したがって、間引きも不要です。

省手間&省コストです。

では、このピンセット種まきのコツと手順です。

用意する道具

ピンセットは、先端がくの字型に曲がったものが使いやすいです。

手順とコツ

  1. プランターやトレイに培養土をつめる。前述と同じで、苗を作って後に植え替えるなら「種まき培養土」を、そのまま栽培するなら普通の培養土を使用。
    土は湿らせずに、乾いたまま種を埋めます。
  2. ピンセットのどの位置まで挿せば深さ3㎜の深さになるのか、おおよその検討をつけておきます。
  3. 種を1粒つまみ、土に埋め、ピンセットを抜きます。この時、種に土がかぶっていなくても大丈夫です。
  4. ジョウロで優しく水をかけます。水をかけることで、土が流れて種を自然に覆ってくれます。
ぴっこ
ぴっこ

慣れれば、意外に簡単
よかったら、試してみて!

覆土いらず⁉好光性種子の種まきと管理が簡単にできるアイテム

バジルのような小さな好光性種子は、コツを頭では理解していても、実際にやってみると失敗してしまうことも多い少し気難しい種です。

寒い季節、部屋の中でバジルやミントを発芽させる時に、私はピートバンを使うときがあります。
これなら小さな種でも発芽しやすく、衛生的で部屋でも管理しやすいですよ!
▶ダイソーの水切りカゴ3点セットとピートバンで、小さな種でもラクに発芽

残った種は、賢く保存して来年も使おう!

種をまき終えてみると、おそらく種袋の中には、まだ沢山の種が残っているのではないかと思います。
市販のバジル種は、量がたっぷりと入っているものが多く、家庭菜園で一度に使えるような粒数ではありません。

種は正しく保管すれば、翌年も使えます。
こちらで、具体的な保存方法を写真付きで解説しています。よかったら参考にしてくださいね。
▶種の保存方法|保管場所や有効期限、発芽率について解説

「来年も使える」と思うと、躊躇することなく、いろいろな品種の種を買えるようになりますね。
スイートバジルと一緒に、もう2,3種類、素敵なバジルを栽培してみませんか?

見比べて…!食べ比べて…!!バジル栽培が、もっと楽しくなりますよ。

世界の魅力的なバジルを、種から育てませんか?

世界には150を超える種類のバジルがあります。
本格的なガパオライスには欠かせないホーリーバジルは、種が小さくて発芽が難しいとされるバジル品種ですが、今回紹介したような種まきのテクニックを覚えれば、自分でも栽培できます。

他にも、焼き菓子作りに最適なシナモンバジルや、赤紫色が美しいレッドルビンバジルなど、世界には魅力的なバジルがいっぱい!

バジルの栽培方法から調理方法まで、楽しいバジルぐらしの情報を発信中です。

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